ネオンサインは、お店のロゴや文字を灯す「看板」として使われることが多いですが、展示空間では少し役割が変わります。作品の世界観を光で拡張する、ひとつのオブジェになるのです。
今回ご紹介するのは、オーディオテクニカ×ウィリー・スチュワート(Willie Stewart)個展「Digital Grim Reapers Underground」(韓国・ソウル清潭のギャラリー Lazy Mike)のために製作した、展示ネオンサインです。

文字ではなく「絵」を光にする
このネオンサインは、一般的な文字型とはまったく違います。フクロウの顔と羽、爪、吹き出し、英文の文字まで——さまざまな形の線が組み合わさったイラスト型です。
かなり複雑な構造のため、クライアントが確定したデザインをもとに、元の方向性を損なわない範囲で「光の線として成立する」ようリデザインしました。また、背面の壁面イメージを隠さないよう、ベースには透明アクリルを使用。ネオンと展示の演出が自然に重なって見えるように設計しています。

ネオンサインの製作工程|CNC加工から点灯検収まで
ここからは、この展示ネオンサインができるまでの製作工程を順にご紹介します。
工程①|アクリルのCNC加工
まず、ベースになる透明アクリルをCNCで加工します。デザインデータをもとに、LEDとシリコンが入る溝を彫り込む工程です。
CNC加工とは、コンピューターで作成したデザインデータをもとに、機械が自動で素材を削り出す加工技術のことです。手作業では難しい精密な曲線や複雑な形状も、均一かつ高精度に仕上げることができます。
直線中心の文字型と違い、今回は小さな曲線が繰り返されるデザイン。各ラインの位置がずれないよう、加工経路をひとつずつ確認しながら進めました。外周はデザイン全体のシルエットに合わせて整理し、不要なアクリル面積を減らすことで、設置時に展示イメージを覆いすぎない仕上がりにしました。

工程②|線に沿ったLEDの配置
加工が終わったら、デザインの線に沿ってLEDを配置します。フクロウの胴体と羽、顔、吹き出しにそれぞれ違う色が入るため、どの区間にどの色の光が入るかを確認しながらの作業です。
カーブする部分、線がつながる部分、間隔の狭い部分——光量が足りずに「線が途切れて見える」ことがないようにするのが、この工程のポイントです。

工程③|区間をつなぐ、はんだ付け
羽や顔のように短い線が細かく分かれている部分は、1本のLEDをそのまま通すことができません。デザインの形に合わせてLEDを折り曲げて配置し、各区間に電源が正しく届くよう、はんだ付けでつないでいきます。
外から見るとひとつの絵に見えるネオンサインですが、その中には無数の接続作業が隠れています。

工程④|光を柔らかくするシリコン仕上げ
LEDの配置と接続が終わったら、各区間に合う色のシリコンをはめ込みます。シリコンは内部のLEDの粒感を抑え、光を柔らかく拡散させて「1本のネオンライン」に見せる役割です。
今回はイエローとホワイトの2色を使用。フクロウの輪郭と主要な形はイエロー、顔と羽の内側はホワイトと、点灯したときに各要素がはっきり区別できる配色にしました。色と配置は、クライアントの最終デザインをそのまま反映しています。
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工程⑤|出荷前の点灯検収
すべてのシリコンをはめ込んだら、全体に電源をつないで点灯状態を確認します。フクロウの両翼と胴体、顔、爪から、吹き出しの輪郭と英文まで、欠けている部分がないかを区間ごとにチェック。
複数の色を使う製品は、「点くかどうか」だけでなく、指定の位置に指定の色が入っているか、色の境界がきれいかまで確認します。検収を終えた製品は、丁寧に梱包して出荷しました。


展示空間の一部になったネオンサイン

こちらが完成した展示ネオンサインです。作業場で単体点灯したときと違い、冒頭の写真のように、現場では壁面のイメージと光が重なり、ネオンサインが展示を構成するひとつの要素として溶け込んでいます。
写真・映像・サウンドで構成された空間の中で、ネオンの光もまた、作品の世界観を照らす視覚的なポイントになりました。
展示・ギャラリー・ポップアップのネオンサインもご相談ください
展示ネオンサインは、文字を灯す看板を超えて、作家のイメージや展示の雰囲気を「光」というもうひとつの方法で表現できるのが魅力です。
TABBNEONは、こうしたイラスト型・アート型のネオンサインも、同じ製作工程で多数製作してきました。複雑なデザインでも「簡略化」せず、光の線として成立する形をご提案します。東京の自社工場で製作し、全国へ発送。取り付けも簡単です(詳しくはネオンサインの取り付け方)。
ギャラリーや個展、ポップアップストアに設置するネオンサインをお考えの方は、設置空間とサイズ・色・形をお伺いして、最適な製作方向をご案内します。
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