「正確な図面やデザインデータがなくても、ネオンサインは注文できますか?」——最近よくいただくご質問です。実は近年、AIで生成したイメージ画像を参考資料として送ってくださるお客様が増えています。
ただ、AI画像のデザインをそのまま実物にできるかどうかは、また別の問題。サイズや設置場所、構造、電源、固定方法まで、製作に必要な条件をひとつずつ検討する必要があります。
今回は、コスメブランドLUSH(ラッシュ)の韓国・ソウル聖水(ソンス)ポップアップストアに設置した屋外ネオンサインを例に、最初のご相談から現場設置までの全工程をご紹介します。店舗のネオン看板やオリジナルネオンサインのオーダーメイドをご検討中の方の参考になれば幸いです。

1. AI画像から始まった打ち合わせ


最初のご相談でクライアントから届いたのは、円形のフレームの中にネオンサインが配置されたAI生成画像でした。約3mの構造物の中に「POP-UP」「THEATER」の文字、花火や街並みのイラストが入った構成です。
この段階の画像は、あくまで全体の雰囲気を伝える参考資料。実際に製作するには、製作可否・固定方法・配線の位置・防水の要否などを確認する必要があります。特に今回は完全な屋外設置のため、防水処理を製作条件に含めて進めました。
2. 製作できるデザインに落とし込む


方向性が決まると、デザインチームがAI画像をもとに、実際に製作可能な最終デザインを作成します。AI画像は雰囲気を伝えるのは得意でも、線の太さや間隔、サイズといった製作基準までは含んでいません。
今回は円形メッシュフレームの中で5つのサインがひとつのシーンに見えるよう、各要素の大きさ・比率・色を調整。最終デザインには、アクリルベースの色とサイズ、シリコンの太さ、穴あけ位置や電源コードの長さまで、製作に必要な仕様をすべてまとめます。

ネオンサインのデザインは「絵を描く」というより「アイデアを製品に変える設計」に近い工程です。お客様とのやり取りを重ねて最終デザインが確定したら、CNC加工用のデータに整えて次の工程へ渡します。
3. 透明アクリルベースのCNC加工

デザインが確定したら、ベースとなる透明アクリルをCNCで加工します。各サインごとに形もサイズも異なるため、デザインデータをもとに加工経路を設定します。
今回は現場でメッシュフレームに結束バンドで固定する計画だったので、その固定用の穴も製作段階から反映しました。加工後は形状と穴位置を検品し、製作チームへ渡します。
4. LED配置・はんだ付け・シリコン仕上げ

加工したアクリルの溝に沿ってLEDを配置します。ここで最も大切なのは、すき間なく配置すること。すき間があると、点灯したときにその部分だけ光が弱く見えてしまいます。

配置後は、区間ごとにはんだ付けで電源を接続。形が複雑なほど接続箇所も増えるため、すべての区間に正常に電気が流れるか確認しながら進めます。
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最後にLEDの上から色に合わせたシリコンをかぶせて仕上げます。シリコンはLEDの粒を隠しながら、光をやわらかく拡散させる役割をします。
5. 屋外設置のための防水処理と点灯テスト
今回は屋外設置のため、防水LEDの使用に加えて追加の防水処理も行いました。また、完成した製品はすぐに梱包せず、一日ほど点灯させて状態を確認します。梱包前には検品用の写真も撮影し、今回はクライアントのご要望でその写真もお送りしました。
6. キズと衝撃を防ぐ梱包

完成したネオンサインは、まず全体をラップで包んでアクリル表面とシリコンを保護し、その上からエアキャップを十分に巻いて衝撃に備えます。オーダーメイドのため製品はひとつずつ形が違い、それぞれの形に合わせて個別に梱包します。通常の配送(サインのみを発送する場合)では、エアキャップで包んだあと、硬いダンボールを製品の形に合わせてカットし、箱として梱包してから出荷しています。
7. 現場での設置と配線整理

現場ではまず、図面と実際のフレームを見比べながら、各サインの位置・間隔・配線ルートを確認。最初から完全に固定せず、最終デザインと見比べながら位置を調整し、アクリルにあけておいた穴を使って結束バンドでしっかり固定しました。
設置後は、前面に集まった電源コードをフレームの裏側へ回して整理。今回は12VのLEDを使用しているため、SMPS(電源アダプター)で220V(日本の場合は100V)を12Vに変換してから各サインに接続しています。配線と電源容量まで考えてこそ、屋外でも安定した設置ができます。
8. 完成
上部の「POP-UP」、中央の「THEATER」のレタリング、下部の街並みイラスト、左右の花火まで、5つのサインがひとつのシーンとして完成しました。黒いメッシュフレームの上で色とりどりのネオンが際立ち、昼間でも店頭で十分な存在感を放っています。



近くで見ると、透明アクリルのベースがメッシュフレームに自然になじみ、レタリングやイラストの線がより鮮明に浮かび上がります。屋外でも安定して使える、防水仕様のLEDネオン看板ならではの仕上がりです。
まとめ|AI画像やスケッチだけでもご相談いただけます
ネオンサインのオーダーメイドは、製品をひとつ作って終わりではなく、ご相談からデザイン・製作・設置までの各工程がつながってはじめて、最初に思い描いた姿を実際の空間に再現できます。
タブネオンでは、店舗のネオン看板やオリジナルネオンサインの製作も、AI画像や簡単なスケッチだけで製作可否の検討から設置方法のご提案まで一緒に進めることができます。デザインのご相談から製作・検品まで、東京の自社工場で一貫して対応していますので、ご注文・お見積りページからお気軽にご相談ください。